みなさんは、転職エージェントってご存知でしょうか?
簡単にいうと、転職を希望する求職者と採用したい企業側のお互いのニーズや条件を把握し、お⾒合いをセッティングしてくれるプロのことです。
大リーガーのメジャーな選手や有名なプロサッカー選手には、ほとんどエージェントと言われる交渉代理⼈がついています。
例えばクリスティアーノ・ロナウドやメッシといった超ビックスターがチームを移籍する場合、当然巨額の移籍⾦が動きます。代理⼈はその⾦額や契約年数だけでなく、選手と家族にとっての生活環境まで考慮に入れたチーム探しをするわけです。
そこにはそのチームのホームがある都市の治安状況や⼦供の学校問題から好きな料理のレストランがるかどうかまで、きめ細やかな調査が⾏われます。
なぜ、そこまで念⼊りな作業をするのでしょうか?それには、ちゃんとした理由があるのです。
選手にとっても、受け入れるチームにとっても、お互いの目的は、“ベストなパフォーマンスを発揮すること”です。モチベーションを高く保ってプレーできる環境をすり合わせすることは、お互いにとって将来の成功を作り上げる大事な作業なのです。
これと同じことが、転職活動にも⾔えます。⾃分の今までのキャリアを⽂書に落とした職務経歴書をベースに、自分の経験とスキルが一番発揮できる企業はどんな企業か?それは、今まで経験したことのない異業種の会社かも知れませんし、急成⻑で⼈材が不⾜しているベンチャー企業かも知れません。
世の中には、⾃分の知らない魅⼒的な企業が数多くあります。そんな無数にある企業の中から、転職希望者のニーズと市場価値を把握し、最も活躍できそうな会社をピックアップして紹介してくれるーそれが転職エージェントなのです。
当然お互いのニーズを把握した上での転職希望者と求⼈企業との出会いですから、マッチング率も高まります。個人がいろんな転職サイトをリサーチし、自分に合う企業を探すよりも楽で成功率も⼤幅に向上するならば、使わない⼿はありません。
そして何よりも⾃分を必要としてくれる魅⼒的な企業との出会いをプロデュースしてくれるって、ちょっとワクワクしませんか?
⾃分の⼈⽣を⼤きく左右するかも知れない転職活動。その⾃分の良さを最⼤限引き出してくれる転職エージェントは、選び方によって成果が大きく変わってきます。
転職エージェントには大きく分けて、2つのタイプがあります。 それぞれについて紹介していきます。
代表的なのは、人材大手のリクルートが展開するリクルートエージェントです。さすがリクルート系だけあって、その非公開求人数は業界最大級です。また転職アドバイザーの数と質も業界トップクラスで、提出書類の添削や面接のアドバイス、転職者の志望業界情報や企業情報の提供など充実しています。
第二新卒に特化したマイナビジョブズ20´Sや外資系企業への転職に強いJACリクルートメント、マスコミに強いマスメディアンなどが有名です。
ここで一番重要なことは、自分自身の今までのキャリアと志望する転職業界とシナジーのある転職エージェントを選ぶことです。
複数登録するのも有効な手法です。大手総合転職エージェントと専門分野に強い転職エージェント双⽅に登録して、それぞれの良い所を活かすことで短期間で転職を成功させる確率は⾼まります。 その転職エージェントを比較するポイントとしては、以下が挙げられます。
ここで重要なのは、サイトはあくまで事前参考程度と考え、まずは登録して次のフローに進むことです。そこで、その転職エージェントの担当者と密なコミュニケーションを取り、仲良くなってしまうことです。
転職エージェントのスタッフも人間です。自分を頼ってくれる人間には、「よし、この人のため に頑張ろう!」と思うものです。転職エージェントを活用した転職活動は、いかにエージェント スタッフの⽅と仲良くなり、気持ち良く動いてもらえるかが鍵になってくるのです。
転職エージェントは、転職に関するアドバイザーであり、転職コンサルタントといっても良いでしょう。
エージェント企業は、登録された転職志望者のキャリアや、志望動機、人物印象や適正などを総合的に判断し、登録者の合うと思われる企業を担当しているスタッフが担当につきます。
その時そのスタッフは、あなたのことをどう思うでしょうか?
「この⽅は⽂書も、メールもしっかりしているし、⾯談の印象も良かった。仲の良いA社の人事担当役員に紹介しよう。A社が求めているスキルとポジション、報酬条件もぴったりだ」
こうなれば、しめたものです。転職エージェントを活用する最大のメリットは、このように担当スタッフと企業サイドとの信頼関係に乗っかることで、時間を大幅に短縮し、自分一人の活動ではなかなか到達できない相性と条件が合う企業の内定を獲得できることなのです。
しかし、以下のパターンもあります。
「この⽅は、⾯談の雰囲気も良くないし、年齢の割にはスキルも低い。しかもご⾃⾝のスキルの割には、高い報酬条件を要求している。これは、自分の担当しているどの企業にも紹介するのは難しいな…」
こうなってしまっては、せっかく登録しても転職活動はなかなか前には進みません。転職エージェントのスタッフは基本的に仲の良いクライアントをいくつも持っており、無事マッチングが成功すれば年収の30%前後という⾼額な⼿数料を受け取ります。
売上欲しさのあまり、強引にマッチングをかけようとする転職エージェントのケースもありますが、少数派です。なぜなら、そういったやり方をすると結果的に紹介企業に迷惑がかかり、その結果リレーションが保てなくなり、いずれビジネスモデルが破綻するからです。
転職活動における転職エージェントの活用は、アナタは選ぶ側でありながら、一方では選ばれる側でもあるのです。このポイントを認識した上で活動すれば、成功の確度はグッと上がるでしょう!
何事もそうですが、その仕組みを⼗分理解した上で活⽤するのと、中途半端な理解での活⽤では、その効果は全く変わってきます。
転職エージェントの活用についても、同じことがいえます。転職エージェントの具体的メリットとデメリットを、以下に記します。
このように事前に転職エージェントのメリットとデメリットを十分に把握し、自分にとってためになる部分を最⼤限活⽤することで、転職活動を成功させる確率を⾼めることは可能です。
⼀番重要なことは、早期に準備を進め、早めに⾏動し、転職エージェントの担当者と密なコミュニケーションを図り、改善点が⾒つかればすぐ直すことです。そして⾃分なりの勝ちパターンを作り上げ、運動量をこなせば、結果は必ず出てきます。
転職エージェントの活用は、登録すればあとはエージェント企業のスタッフに任せればいいと思っていませんか?
実は、転職エージェントに登録した後の最初の面談がとても重要なんです。
なぜなら、その面談で担当エージェントが「よし!この方なら自分が紹介したい企業に自信を持って紹介できそうだ!」と感じてもらえることこそが、その後の転職プロデュース一番の推進⼒になるからです。
彼らもビジネスです。紹介企業に気に入ってもらえ、採用が決まり、先方に満足してもらい、紹介⼿数料が⼊る確度の⾼い案件に注⼒するのは当然のことです。
だからこそ、登録後の⾯談で⾃分の市場価値を理解してもらい、全⼒でマッチングに動いてもらう必要があるのです。
では、具体的にはどのような準備が必要なのでしょうか?以下に記します。
⼀番重要なのは、“相⼿の⽴場に⽴って、⾃分という⼈間をどう売り込むか”です。万全の準備は、そのための環境作りでもあるのです。
登録後の最初の面談前には、事前にイメージトレーニングしておくことをおススメします。
面白いエピソードを、一つご紹介しましょう。演説の達人だったヒトラーの話です。彼は、演説前に鏡の前で丹念にイメージトレーニングをしていたそうです。
⼤衆を目の前に、どのタイミングでどういったトークを繰り広げるのか、その台詞が⼀番訴求⼒を持つポーズと合わせて鏡の前で丹念に練習をしていたのです。その結果、彼は演説で⼤衆の⼤きな共感を獲得しました。
同じように、⾃分⾃⾝のアピールポイントを紙に書き出し、何回も⾃分の⾔葉で実際に話してみます。すると、自分でも「もう少しゆっくり話してみよう」「この部分は、過去のこういう経験を足してみよう」といった工夫が生まれてきます。
実際の⾯談の流れのポイントを、以下に記します。
お互いの挨拶から始まり、リラックスした雰囲気で面談がスタートします。そして、次のような質問が投げかけられます。
「この職務経歴書を拝⾒すると、3社目のG社で新規事業の⽴ち上げをされていますが、そのプロジェクトを通じて学んだことをアピールして下さい」
「今回の転職において、御希望されるポジションや年収があれば、仰って下さい」
ここで重要なのは、転職エージェントの担当者がどういったポイントであなたを⾒ているかです。ポイントは、大きく3つあります。
あなたの⼈間性とビジネス⼒、そして状況です。
つまり正直に真摯に話しているか、企業が求めるスキルを持っているか、すぐに自社の紹介案件にマッチングしそうか、です。
ここで気をつけたいのは、自身のスキルや実績については正直に話す必要がありますが、以前在籍した会社の悪⼝は語るべきではないということです。⼈は誰しも離職するには理由があるわけですが、限られた面談時間ではそんなことに時間を割く余裕はありません。
転職エージェントの担当者は、ある意味“売り込みのプロ”です。彼らは面談で、あなたの“クライアントに売り込める事実”を探します。だからこそ、そのリサーチに協⼒できる事実素材をできるだけ用意することが、お互いにとってハッピーになる近道なのです。
世の中の転職希望者は、まだまだ転職サイトを利⽤される⽅が多いと思います。テレビCMや電⾞の中の広告で、よく目にもされています。
ざっとみただけでも、有名な転職サイトは以下のようなものがあります。
転職サイトと転職エージェントとの違いは、名称が示している通り、案件が掲載されている求人サイトスタイルをとっているか、転職希望者のニーズを汲み取ってベストな転職先企業を代理⼈として探してくれるスタイルをとっているかです。
転職サイトと転職エージェントを⽐較した場合、それぞれ⻑所と短所があります。
若くてこれからいろんな企業で経験を積んでいきたい⽅は転職サイト、ご⾃⾝のスキルの価値の認識があり、既に戦略的なイメージをお持ちの中堅マネジメント層もしくは技術者層は転職エージェントがフィットするのではないかと思います。
転職サイトもしくは転職エージェントのどちらを活用する場合でも、一番重要なのはご自身のポジショニングを認識することです。⾃分は今の求⼈マーケットで、その辺にいるのか。求⼈している企業側から⾒て、魅⼒的な⼈材なのかどうか。
大学受験しかり、就職活動しかり、転職活動も全て自由競争の世界です。そして、需要と供給の世界でもあります。
例えば、こんな話があります。Aさんは、プログラマーとして社会人生活をスタートしました。世間的にあまり評価が高くない大学の出身だったせいか、新卒での就職活動はことごとく失敗。都内の小さなシステム会社に入社しました。
しかし、Aさんは諦めませんでした。仕事をしながら独学でいろんなプログラミング言語を学び、その⾔語を使って仕事の幅を広げていったのです。しかもシステム開発業界の流れを読み、次に主流になるプログラミング⾔語を戦略的に学んでいました。そして、誰もが羨む⼤⼿⼈気企業へ転職することに成功したのです。この企業の⼈事担当者の⾔葉が、印象的でした。
「この⾔語が出来る⼈が、今いないんですよ。あなたに応募してもらえて、良かった」これは、まさしく需給バランスが顕著に出た例と⾔えるでしょう。もちろん⼈間性やマネジメント能⼒も重要ですが、伸びている業界そしてそこで逼迫している⼈材になると、もはや“⼊れ⾷い状態”になることも結構あるのです。
自身のポジショニングをよく考えた上で、そのストーリーをイメージして下さい。転職サイトもしくは転職エージェントは、そのストーリーを実現する手段に過ぎないのです。
面談の場面でも、相手に響きやすいフレーズは好印象を与えます。一貫している自分アピールは、転職活動期間の効率化にもつながるのです。